子どもの頃は鍵には縁がありませんでした。

昔、鍵っ子という言葉がありましたが、今はそんな言葉も使われなくなったのでしょうか。
うちは両親が共働きだったので、幼稚園の頃からいつも一人でお留守番をしていました。
もっと小さかった頃は伯母の家に預けられていたのですが、大きくなったし自分のことはできるようになったということで、お留守番もできると判断されたようです。
まさしく鍵っ子だったわけですが、鍵をかけておくようにと言われたことは一度もありません。
一人で火を使わないようにと注意されたことはありますが、戸締りをするようにと言われたことがないのです。
もとろん、戸締りはできるようになっていましたが、両親はその必要はないと思っていたのではないでしょうか。
両親が留守でもいつも誰かが訪ねてきていました。
田舎のことなので、玄関でちょっと声をかけたらどんどん中まで入って来るのが当たり前でした。
用事を済ませると、子どもが一人で留守番をしているということで、少しくらいは話し相手になってくれることもありました。
玄関も開けっぱなし、窓も開けっぱなしのところで、眠ってしまっていて人が来ても気がつかないこともありました。
いまでも田舎に行くとそんな感じなのではないでしょうか。
みんな知り合いですから、不審な人が来るなんてことはまったく考えられなかったのだと思います。
戸締りをするのは夜か台風が来た時だけ、それ以外はあけっぴろげでもそんなに不安はありません。
子どもの頃からそんな生活をしていたので、高校生の時にちょっと都会に出てきた時、鍵を持たされて困ったことがあります。
ついつい忘れるし、失くしてしまうしわで散々でした。
なぜかこの間押入れを片付けていて、いったいどこのものなのかわからない鍵が出てきました。
まったく身に覚えがないので困ってしまいました。
どうも今になっても慣れないようです。
きっともう必要ない者だろうと思うのですが、もしかしたら思い出すかもしれないので押し入れにしまっておきました。

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